Angel's Envy
ケンタッキー州ルイビルのウイスキー・ロウに立つ、ポートワイン樽フィニッシュで一世を風靡した蒸留所である。ブラウンフォーマンで約40年マスターディスティラーを務め、ウッドフォードリザーブを生んだ殿堂入りの名手リンカーン・ヘンダーソンが、息子ウェスとともに2010年に創業した。旗艦のバーボンはポルトガル産ポート樽で最大6ヶ月追熟され、プレミアム・フィニッシュド・バーボンという新カテゴリーを切り拓いた。2016年、禁酒法以降ダウンタウンのウイスキー・ロウで初のフル生産蒸留所を、20世紀初頭の歴史的建物を再生して開いた。天使が羨む(エンビー)ほどの一杯を掲げる、革新の造り手だ。
エンジェルズエンビー最大の特徴は、樽フィニッシュによる仕上げにある。旗艦のバーボンは、内側を焦がした新樽で熟成させたのち、ポルトガル産のポートワイン樽で最大6ヶ月追熟される。この工程が、通常のバーボンにはない果実やドライフルーツの甘やかな余韻を与える。少量ずつ丁寧に仕上げるハンドクラフトの姿勢が、プレミアム・フィニッシュド・バーボンという新しいカテゴリーを確立した。
エンジェルズエンビーは、ブラウンフォーマンで約40年にわたりマスターディスティラーと研究員を務め、ウッドフォードリザーブを生み出したバーボン殿堂入りのリンカーン・ヘンダーソンが、息子ウェス・ヘンダーソンとともに2010年に創業した。長年の知見と、フィニッシュに着目した革新的な発想を掛け合わせた情熱の産物だった。2016年、禁酒法以降ダウンタウン・ルイビルのウイスキー・ロウに初のフル生産蒸留所を開設。20世紀初頭の歴史的建物は約30年放置されていたが、これを買い取り再生した。現在はバカルディ傘下にある。
蒸留所はケンタッキー州最大の都市ルイビルの目抜き、ウイスキー・ロウに立つ。かつてバーボン産業で栄えたこの通りに、禁酒法以降初めてフル生産の蒸留所が戻った意義は大きい。ケンタッキーの石灰岩水に恵まれた立地が良質な仕込み水を供給し、歴史的建造物の再生が街の再興を象徴している。
旗艦の「エンジェルズエンビー ケンタッキー ストレート バーボン(ポート樽フィニッシュ)」を核に、ラム樽で仕上げた「エンジェルズエンビー ライ」、度数を高めた「カスク ストレングス」を展開する。とりわけ年替わりのカスク ストレングスは、フィニッシュの妙を最大限に引き出す限定品として愛好家の注目を集める。
Angel's Envy Rye Finished in Caribbean Rum Casks
🇺🇸 アメリカ ・ エンジェルズエンビー蒸留所 ・ ライ ・ NAS ・ 50%

この蒸留所が属する地域
トウモロコシを主原料とするバーボンウイスキーの本場。原料の51%以上がトウモロコシで、内側を焦がした新樽で熟成させることが法律上の条件となっている。ケンタッキー州が生産の中心地で、テネシー州のジャックダニエルズは木炭濾過(チャコール・メローイング)を経る独自製法「テネシーウイスキー」を名乗る。近年は小規模クラフト蒸留所が全米で急増している。
アメリカを深掘りする →地理ではなく味わいで繋がる、別の産地の蒸留所。