
WHY THIS TASTE
二十四節気シリーズの記念すべき第1弾として2020年10月に登場したシングルモルト。厚岸産のピーテッドモルトを、バーボン・シェリー・ワイン・ミズナラと複数種の樽で熟成させた原酒でヴァッティングし、55度で瓶詰めする。アイラを範とした潮とピートスモークに、樽由来の甘みと複雑さが折り重なる。節気「寒露」は秋が深まり草に降りる露が冷たくなる頃を指す。

この味を生む蒸留所
厚岸蒸溜所北海道厚岸町に立つ、堅展実業の蒸溜所である。2016年11月、道東初の蒸溜所として設立された。堅展実業の社長は、アイラ島によく似た風土の中で伝統的な製法を守るウイスキー造りを目指し、この地を選んだ。厚岸町の冷涼で湿潤な気候と、湿原のピート層の上に建つ立地が特徴だ。厚岸の湿原には、湿原寄りは草中心のピート、海に近い場所は海藻成分を含むピートという珍しい2種が存在する。2010年に計画を開始、2013年に試験熟成、2015年着工、2016年10月に蒸留を開始した。2020年からは、二十四節気にちなんだ「厚岸シングルモルトウイスキー」シリーズを四季折々にリリースする、北海道の道東を代表する造り手だ。
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厚岸Akkeshi
北海道東部・厚岸町の堅展実業が2016年から蒸溜を開始した厚岸蒸溜所のシングルモルト。スコットランドの伝統製法を踏襲しつつ、冷涼湿潤な気候と海霧、ピートを含む尾幌川の仕込み水など土地の個性を生かしたウイスキー造りを目指す。スコットランドのフォーサイス社の技術協力のもと設備を導入し、日本の四季をテーマにした「二十四節気シリーズ」などを展開している。
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アイラモルトに憧れた社長が、造りたい味から逆算して選んだ土地が北海道・厚岸だった。泥炭層を通る水、海霧、そして牡蠣。「アイラのように」始まった蒸溜所が、なぜ自分の土地の味へ向かったのか。

十年前は指を折って数えられるほどだった日本の蒸留所が、いまや計画中を含め120超。看板商品が出せるまで何年も待たされる酒に、なぜこれほど多くの人が挑むのか。数字・制度・資金繰りの知恵、そして始まりつつある淘汰まで読み解く。