
WHY THIS TASTE
8〜12年熟成の原酒をブレンドしたノンエイジのスモールバッチ。バプテスト牧師イライジャ・クレイグの名を冠し、しっかりしたウッディネスと甘みのバランスが評価される定番バーボン。

この味を生む蒸留所
バーンハイム蒸留所ケンタッキー州ルイビル、家族経営として全米最大級を誇るヘヴンヒルが所有する唯一の自社蒸留拠点である。1897年にアイザック・バーンハイムがこの地に蒸留所を築いたのが名の由来で、この地には1881年から蒸留の歴史があった。現在の大型蒸留所は1992年にギネス傘下のユナイテッド・ディスティラーズが建設した。1996年、バーズタウンのヘヴンヒル工場が火災で9万樽を焼失する惨事に見舞われ、同社は1999年にディアジオからこのバーンハイム蒸留所を取得して再起を果たした。アメリカン・ウイスキーの主要スタイルをすべて造れる稀有な拠点で、5種の看板マッシュビルを持つ。2005年には禁酒法以降初の新スタイル、冬小麦主体の「バーンハイム ウィート ウイスキー」を世に出した。
蒸留所の詳細を見る →このボトルのブランド
エライジャ・クレイグElijah Craig
米ケンタッキー州の蒸溜業者ヘヴンヒルが手がけるプレミアムバーボン。ブランド名は「バーボンの父」とも呼ばれる18世紀のバプテスト派牧師エライジャ・クレイグに由来する。1930年代創業のヘヴンヒルが手がけ、1980年代に発売されたスモールバッチ版は、プレミアムバーボン復興の先駆けとして高く評価された。バニラやキャラメルの甘みと樽由来のスパイシーさが調和した味わいが特徴。
このブランドの他のボトルを見る →
スコッチとバーボンの現場では、この10年ストライキがくり返されてきた。争われているのは賃上げだけではない。残業、シフト、そして「休暇1日=7時間12分」という計算式だ。

熟成中に減る分は「天使の分け前」と呼ばれる。だがケンタッキーのある蒸溜所の数字では、1年目だけ損失がちょうど倍になる。空へ消えたのではなく、樽の板が飲み込んだ分——その正体と、2011年にそれを取り返しにいったバーボンの話。

ケンタッキーのバーボンは、空調も断熱もない7階建ての木造倉庫で眠る。2018年、その一棟が12日を置いて二度崩れ、計1万8,000樽が落ちた。それでも新しい熟成庫が木で建てられ続けるのはなぜか。

1996年11月7日、嵐の中の出火でヘヴンヒルは熟成庫7棟と蒸溜所を失い、約9万樽が消えた。それでも出荷は止まらず、競合が蒸溜を引き受けた。ルイビルへの回り道と、28年ぶりの帰還をたどる。

「ストレート」「ボトルド・イン・ボンド」「スモールバッチ」「シングルバレル」。アメリカンウイスキーのラベルに並ぶ言葉を、連邦規則の裏づけがある土台から順に整理し、棚の前での選び方に落とし込む。

ウイスキーの原料に一切使われていないのに、なぜバニラの香りがするのか。正体は樽の木を焼くと生まれる「バニリン」。焼き加減や樹種、新樽かリフィルかで甘い香りの濃淡が決まる仕組みを解説します。