
WHY THIS TASTE
バーボン樽のみで10年熟成させた、追加熟成(フィニッシュ)シリーズの土台となるベーシック表現。アルコール度数40度。ここから一部原酒をオロロソ樽のラサンタ、ポート樽のキンタ・ルバン、ソーテルヌ樽のネクター・ドールへ移し替えて仕上げる。2024年に12年熟成版へ切り替わり、この10年表記は現在旧ラベル扱い。

この味を生む蒸留所
グレンモーレンジィ蒸留所ハイランド北岸、ドーノホ湾を望むテインの町。ここには「テインの16人(The Sixteen Men of Tain)」と呼ばれる職人たちが守る、スコットランドで最も背の高いポットスチルがそびえる。1843年にウィリアム・マシソンがモランジー醸造所を蒸留所へと転換して創業したグレンモーレンジィは、約8メートル——キリンの背丈になぞらえて語られる——優美なスチルから、軽く華やかな酒質を生み出してきた。仕込み水はタロジー丘陵に湧くミネラル豊富な硬水、タロジー・スプリングス。柑橘とバニラ、蜂蜜と白い花が折り重なる繊細さは、樽で仕上げる「フィニッシュ」の先駆者としての革新と相まって、世界で最も飲まれるハイランドモルトの一つへと押し上げた。
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グレンモーレンジィGlenmorangie
1843年、ウィリアム・マセソンがハイランド地方テインで創業したシングルモルト・スコッチウイスキー。スコットランドで最も背が高いポットスチル(約5.14m)を用いた軽やかで繊細な原酒づくりが特徴で、バニラや柑橘、花の香りが上品に立つ味わいを持つ。1990年代にはウッドフィニッシュ製法を確立し、シェリーやポート、ソーテルヌ樽など多様な樽で追加熟成させたエクストラマチュアード・シリーズでも知られる。現在はLVMHグループ傘下のザ・グレンモーレンジィ・カンパニーが所有。
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濡れた段ボールのようなにおい。ワインで「ブショネ」と呼ばれる現象の原因物質TCAは、水1,000トンに1ミリグラムの濃度で香りの評価を押し下げる。ニュージーランドは栓を替え、ウイスキーはコルクを守る道を選んだ。

同じメーカーがレモンの有無で別レシピを立て、サントリーは果汁、デュワーズは皮を指定する。レモンの香りは皮の油胞にあり、酸は果汁にある。皮・果汁・実の三つに分けて考えると、ハイボールのレモンは使い分けられる。

ウイスキーグラスは食洗機に入れていいのか。グラスメーカーは「洗える」と言い、洗剤メーカーは「クリスタルガラスは使えない」と書く。食い違いを解くと、条件と日本の水質という論点が出てくる。

酔うと声が大きくなるのは「気が大きくなるから」だけではない。周囲の騒音が1dB上がるごとに、人の声は0.3〜0.6dB上がる。しかもアルコールは、騒がしい場所での聞き取りそのものを落とす。酒場の音量がひとりでに上がっていくしくみを、音響と聴覚の研究から読み解く。

「シェリー樽はバーボン樽の10倍高い」とよく言われる。出どころを追うと、いちばん安い中古樽といちばん高い新樽を並べた数字だった。ボトル1本ぶんに割り直せば、差は30円足らずから150円ほどにしかならない。

ジムビームは主力蒸溜所の蒸留を2026年いっぱい止めている。スコットランドでも減産が相次いだ。この十年言われ続けた「品薄」は終わったのか、そして棚の値段は下がるのか——数字で確かめる。