
WHY THIS TASTE
バーボン樽・リフィルホグスヘッド・シェリー樽の3種で熟成した原酒をヴァッティングし、仕上げに6〜9ヶ月オロロソシェリーバットで追加熟成する「トリプルカスク」構成、43度。2004年にコアレンジ入りし、2014年のリニューアルで40度から43度へ引き上げられた。青りんご・洋梨・マンゴーの果実香にクレームキャラメルの甘みとシナモンのスパイスが重なり、ふくよかでバタリーな余韻に続く。サンフランシスコ・ワールド・スピリッツ・コンペティションでは金賞の常連。

この味を生む蒸留所
トマーティン蒸留所スコットランド・ハイランド、インヴァネスの南に立つ蒸留所である。1897年、トマーティン・スペイ蒸留所社として創業した(この地では16世紀から蒸留が行われていたとも伝わる)。20世紀半ばに大きく成長し、1974年には23基ものスチルを擁するスコットランド有数の巨大蒸留所となった。1986年、所有会社の清算後に日本の宝酒造と大倉商事が買収し、トマーティン蒸留所社を設立。スコットランドで初めて日本資本が完全所有した蒸留所となった。宝酒造は1960年代からトマーティン原酒をバルクで輸入してきた古い顧客でもあった。産出原酒の約8割は、自社ブランドのアンティクァリーやタリスマンなどブレンドに用いられる。日本と縁の深い、ハイランドの造り手だ。
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トマーティンTomatin
スコットランド・ハイランド地方のトマーティン蒸溜所が生産するシングルモルトウイスキー。1986年に宝酒造(現・宝ホールディングス)と提携企業が買収し、日本企業が経営に参画した最初のスコッチ蒸溜所として知られる。1980年代初頭のウイスキー不況で経営破綻した後、日本側の資本で再建され、生産量を絞って品質重視の路線に転換した。穏やかで飲みやすい味わいのハイランドモルトとして親しまれている。
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1907年のニムロド遠征隊が南極に残したマッキンレーのウイスキーが発見され、3本が成分分析にかけられた。凝固点マイナス34.3度、軽いピート、アメリカンオークのシェリー樽。19世紀末スコッチの像に収まらない姿が出てきた。

サントリーのボウモアでも、ニッカのベン・ネヴィスでもない。日本企業が丸ごと手にした最初のスコッチ蒸溜所は、1986年のトマーティンだった。23基まで膨らんだスチルと清算、そして買い手が「長年の客」だった理由をたどる。