メーカーズマークの種類と選び方——レッドトップ・46・カスクストレングス、「小麦の甘さ」をどこまで濃くするかで選ぶ
赤い封蝋のあの一本しか知らない人へ。メーカーズマークのレンジは、共通の造りに樽をどこまで効かせ、水をどこまで加えないかの違いでできている。定番3本の味と選び分けを整理する。
スーパーの棚で、赤い封蝋を垂らしたあのボトルだけは見分けがつく。けれど酒販店やバーの棚には、同じ赤い封蝋なのにラベルの違うものが並んでいることがある。「46」と数字が入ったもの、度数が50%台半ばと表示されているもの。
メーカーズマークのラインナップは、実はとても分かりやすい。土台になる造りはどれも共通で、そこに樽をどこまで効かせ、水をどこまで加えないかという差があるだけだからだ。この記事では、その土台の話から始めて、定番のレッドトップ・46・カスクストレングスをどう選び分けるかまでを整理する。
土台その1:メーカーズマークは「ライ麦を使わない」バーボン
バーボンは、原料の穀物構成の51%以上をトウモロコシが占めることが法で定められている。残りをどの穀物で埋めるかは造り手の裁量だ。ここでライ麦をいっさい使わないのがメーカーズマークの決定的な個性で、代わりに軟質赤冬小麦(ソフト・レッド・ウィンター・ウィート)を用いる。配合はトウモロコシ70%、この小麦16%、大麦麦芽14%とされる。
ライ麦は口の中でぴりっとしたスパイス感を出す穀物で、多くのバーボンの「引き締まった辛さ」はここから来る。それを外すと、角が取れて丸い甘さが前に出る。ジムビームやワイルドターキーを飲んでからメーカーズマークに移ると、輪郭が急にやわらかくなるのはこのためだ。
創業者ビル・サミュエルズ・シニアは、7種類の配合を試すのに蒸溜ではなくパンを焼いて味を比べたという逸話で知られる(焼いたのは妻のマージーだったと語り継がれている)。そして選ばれたのが、ライ麦を含まないレシピだった。
こうした「小麦のバーボン」は業界では少数派で、他にはW.L.ウェラーなどが知られる。日本では正規流通が乏しく入手はやや難しいが、機会があれば飲み比べると、この系統に共通する丸さが分かりやすい。
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