5大ウイスキーの次は「新世界」——台湾・インド・豪州から始めるニューワールドウイスキー入門
スコッチやジャパニーズだけが世界ではない。台湾・インド・イングランド・豪州・北欧……近年、国際的な評価を一変させた「ニューワールドウイスキー」を、国ごとの個性と最初の一本の選び方でやさしく案内する。
ウイスキーというと、スコッチ、アイリッシュ、アメリカン、カナディアン、ジャパニーズの「世界5大ウイスキー」を思い浮かべる人が多い。だがこの10〜20年で、その枠の外から世界を驚かせる単一麦芽ウイスキーが次々と生まれている。この記事では、そうした「ニューワールドウイスキー」を国別に整理し、最初に飲むならどれか、選び方の手がかりまで案内する。
そもそも「ニューワールドウイスキー」とは
厳密な定義があるわけではないが、一般に5大ウイスキー以外の国・地域でつくられるウイスキーをこう呼ぶことが多い。かつては「珍しい土産物」という扱いだったが、国際的な品評会で本場のスコッチを退ける例が相次ぎ、いまや実力で選ばれる存在になった。共通するのは、伝統に縛られない自由な樽使いと、その土地の気候を味方につけた造りだ。
台湾——カバランの衝撃
象徴的なのが台湾のカバランだ。2005年にキングカー社が宜蘭県に設立した比較的新しい蒸留所ながら、2015年の世界的な品評会ワールド・ウイスキー・アワードで「ソリスト ヴィノ・バリック」が世界最高のシングルモルトに選ばれた。前年には豪州のサリバンズ・コーヴが同じ栄冠に輝いており、スコットランド・日本以外の造り手が2年連続で頂点に立ったことで、業界に大きな衝撃を与えた。亜熱帯の高温が熟成を速め、若い原酒でも濃厚な果実味をまとうのが持ち味。まず試すなら軽やかな「クラシック」から入るとよい。

インド——三者三様の単一麦芽
インドは今もっとも勢いのある産地だ。先駆けのアムルットは南部バンガロールでつくられ、「フュージョン」がジム・マレー著『ウイスキー・バイブル2010』で97点・世界第3位と評された一本。ゴアのポール・ジョン、北部のランプールも続き、いずれも華やかで濃密だ。背景にあるのは苛烈な暑さで、熟成を左右する気候の影響で樽から蒸発する「天使の取り分」は年10〜12%とスコットランドの数倍。インドの1年は現地の造り手いわく「スコットランドの3年に相当する」ほど熟成が速い。

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