
WHY THIS TASTE
アンダルシア産のペドロヒメネスとオロロソ、2種のシェリー樽だけで12年以上を重ねる定番フラッグシップ。どの段階でもバーボン樽を使わないのが特徴で、レーズンやトフィー、バタースコッチ、熟した赤い果実といった濃厚なシェリー香が中心に据わる。43度、冷却濾過なし・無着色で瓶詰めするため口当たりは厚く、PXの粘つく甘みとオロロソのスパイシーな渋みが釣り合う。上位のリバイバル15年やアラーダイス18年へ続く、シェリー熟成の入口にあたる一本。

この味を生む蒸留所
グレンドロナック蒸留所スコットランド・ハイランド、フォーグの谷に立つ、シェリー樽熟成を極めた蒸留所である。1826年、ジェームズ・アラダイス(アラダイスとも)が創業した、酒税法のもとで免許を申請した2番目の蒸留所だ。名はゲール語の「グレン・ドロナック(キイチゴの谷)」に由来する。最大の特徴は、スペインのアンダルシアのボデガから厳選した元ペドロヒメネスと元オロロソのシェリー樽のみで熟成させる点で、創業者の伝統を今に受け継ぐ。ポットスチルは独特のスワンネック形状と下向きのラインアームを持ち、還流を抑えて力強い原酒を得る。深い色合いと豊かでリッチな酒質——PXの果実味、オロロソの乾いたナッツ感——を宿す、伝統派の造り手だ。
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グレンドロナックGlenDronach
1826年創業、ハイランド地方のシェリー樽熟成に特化したことで知られるグレンドロナック蒸溜所のシングルモルト。ペドロヒメネスやオロロソなどスペイン・アンダルシアの上質なシェリー樽で長期熟成され、濃厚でリッチな味わいを生み出す。2016年にブラウン=フォーマン傘下となった後も伝統的な製法を守り続けている。
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スペイサイドとハイランドは並び立つ産地ではなく、ハイランドの中にスペイサイドの枠がある関係だ。スコッチウイスキー規則の線引き、ハイランドを名乗るスペイサイドの蒸溜所、味の傾向の違いと選び方を整理する。

糖分ほぼゼロのウイスキーを「甘い」と感じさせるのは、主に樽から来る香り。新樽のバニラ、シェリー樽の干しぶどう、二つの樽を合わせた丸い甘さ——出どころ別の5本に、番外としてグレーンの軽い甘さを加えた6本を紹介する。

シェリー樽のウイスキーにときどき現れる「マッチ」「火薬」のような匂い。その正体は硫黄化合物だ。蒸溜所が狙って残す硫黄と、樽の燻蒸から入り込む硫黄、評論家のあいだで割れる評価、感じ方の個人差まで整理する。

バニラアイスに小さじ1杯のウイスキー。樽由来のバニラ香とアイスの乳脂肪・冷たさが合わさると、ストレートが苦手な人でも食べやすい大人のデザートになる。合う理由、バーボン・シェリー樽・スモーキー別の合わせ方、量と手順、アルコールの注意点まで。

原料は穀物と水と酵母。それでも「ウイスキーはヴィーガンか」という問いは消えない。グルテンと違い、蒸留ではこの問いに答えが出ないからだ。清澄という工程と、シェリー・ポート・ビールという樽ごとに異なる前歴を辿る。

ブラインド用のグラスには、中身の色が見えない青や黒のものがある。色を隠すと何が変わるのか——白ワインを赤く染めた2001年の実験と、黒いグラスを使った追試、そしてウイスキーの色が読み違えやすい理由をたどる。