ワイン樽ウイスキーの選び方——ポート・ソーテルヌ・赤ワイン・マデイラ、「前に入っていたワイン」で変わる味と最初の一本
ポート樽、ソーテルヌ樽、赤ワイン樽、マデイラ樽。ひと口に「ワイン樽」といっても、前に入っていたワインで味の方向はかなり違います。酒精強化かどうかという見分け方から、タイプ別の味の傾向と最初に試しやすい一本まで、好きなワインから選べる早見メモ付きで紹介します。
「ポートカスクフィニッシュ」「ソーテルヌ樽」「ボルドー赤ワイン樽」。ウイスキーの棚で、ワインの名前が書かれたラベルをよく見かけるようになりました。
ただ、ひと口に「ワイン樽」といっても中身はかなり違います。前に入っていたのが甘いポートなのか、貴腐ワインなのか、辛口の赤なのかで、ウイスキーに残る表情も変わってくるからです。
この記事では、ワイン樽をタイプ別に分けて、それぞれの味の方向と、最初に試しやすい一本を紹介します。ワインが好きな人なら、好きなワインから逆算してウイスキーを選ぶこともできます。
まず分けたいのは「酒精強化」か「そうでないか」
ワインの樽を見分けるとき、いちばん大きな分かれ目は、そのワインが酒精強化ワインかどうかです。
酒精強化ワインとは、ワインにブドウの蒸留酒を加えて度数を高めたワインのことです。ポートのように発酵の途中で加えると、発酵が止まってブドウの糖分が残り、甘く仕上がります(シェリーのように、発酵を終えてから加えて辛口に仕上げるものもあります)。度数はポートで19〜22%前後、マデイラで17〜20%前後が目安です。
一方、ふつうの赤ワインや白ワインは酒精強化をしていません。甘口の代表であるソーテルヌも同じで、甘さは加えた酒ではなく、ブドウそのものに由来します。度数は13〜14%ほどです。
ざっくり言えば、酒精強化ワインの樽は甘さとコクを足しやすく、スティルワイン(酒精強化していないワイン)の樽は、辛口の赤なら果実味や渋みを、ソーテルヌのような甘口なら蜂蜜のような甘さを足しやすい。あくまで傾向ですが、この地図を頭に入れておくとラベルが読みやすくなります。
なお、シェリー樽はウイスキーの世界であまりに大きな存在なので、ここでは別枠とします(→シェリー樽ウイスキーの選び方とおすすめ)。
ポート樽——ベリーとチョコレートの甘いコク
ポートはポルトガル北部ドウロ地方の酒精強化ワインです。黒ブドウから造る赤いポートが中心で、ポート樽で仕上げたウイスキーには、赤いベリーやチェリー、チョコレートのような甘いコクが乗りやすいと言われます。
定番は、グレンモーレンジィ キンタ・ルバン 14年(46%)です。アメリカンオークで約10年熟成させたあと、ポルトガルのキンタ(ワイン農園)から取り寄せたルビーポートの樽に移し、さらに約4年寝かせます。かつては12年でしたが、現在は14年になっています。
Glenmorangie The Quinta Ruban 14 Year Old
🏴 スコットランド ・ グレンモーレンジィ蒸留所 ・ シングルモルト ・ 14年 ・ 46%
もっと手軽に試すなら、グレンマレイ クラシック ポートカスクフィニッシュ(40%)もあります。アメリカンオークで熟成させた原酒を、ポート樽で数か月仕上げた一本です。公式には、樽の影響でほんのりバラ色を帯びると説明されています。
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