バーボン樽熟成ウイスキーのおすすめ5選——バニラの甘さは「何回目の樽か」で変わる。樽の甘さ・素顔・煙で選ぶ
スコッチの多くを支えるのに、ラベルではあまり目立たない「バーボン樽」。バニラやココナッツの甘さがどこから来るのか、ファーストフィルとリフィルで何が変わるのかを整理し、オーヘントッシャン アメリカン・オークからラフロイグ10年まで、樽の甘さ・蒸溜所の素顔・煙の3つの軸で5本を紹介します。
シェリー樽やミズナラ樽は、ラベルに大きく書かれます。ところが、スコッチの多くを実際に支えているのは、たいてい名前も出てこない「バーボン樽」のほうです。
バーボン樽で寝かせたウイスキーは、派手さでは負けても、バニラや蜂蜜の甘さと、蒸溜所そのものの個性がよく見えるのが持ち味。この記事では、バーボン樽が何を足すのかを整理したうえで、**「樽の甘さを味わう」「蒸溜所の素顔を味わう」「煙と甘さを味わう」**の3つの軸で5本を紹介します。
なぜスコッチには、これほどバーボン樽が多いのか
出発点はアメリカの法律です。バーボンは、焦がした新品のオーク容器で貯蔵することが定められています。一度バーボンを寝かせた樽は、バーボンにはもう使えません(詳しくは なぜバーボンは「新品の樽」しか使えないのか)。
こうして毎年大量に出る中古樽が、スコットランドや日本へ渡ってきます。数がそろい、比較的安く手に入るからです。スコッチの大半は、少なくとも熟成の一部をバーボン樽で過ごしているといわれ、業界では「約9割」という推計もよく引かれます(公的な統計ではないので、目安として受け取ってください)。
バーボン樽が足すのは「バニラ」と「ココナッツ」
バーボン樽の材料は、アメリカンホワイトオークです。内側を焦がしたこの木からは、バニラの香りのもとになるバニリンや、ココナッツのような甘い香りのウイスキーラクトンが溶け出します(→バニラの香りの正体、ココナッツの香りの正体)。
もうひとつ大事なのが、その樽を何回目に使っているかです。スコッチの熟成に初めて使う「ファーストフィル」は、樽の成分がたっぷり残っていて、バニラの甘さがはっきり出ます。二度目以降の「リフィル」になると樽の主張が控えめになり、そのぶん蒸溜所の原酒の個性が前に出てきます(→ファーストフィルとリフィルの違い)。
ここで紹介する5本も、この「樽の甘さをどこまで前に出すか」で性格が分かれます。
樽の甘さを味わう①——オーヘントッシャン アメリカン・オーク
バーボン樽の甘さを素直に知りたいなら、まずはこれです。ローランドのオーヘントッシャンが2014年ごろに定番に加えたボトルで、ファーストフィルのバーボン樽だけで熟成させた、同蒸溜所で初めての一本と紹介されています。
オーヘントッシャンは、すべての原酒を3回蒸溜することで知られます。もともと軽やかな原酒なので、樽のバニラやココナッツの甘さを邪魔しません。よく挙げられる香りもバニラとココナッツ。度数は40%で、ハイボールにしても甘さがよく残ります。

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