
Clynelish
スコットランド北部ハイランド、サザーランドのブローラ近郊に立つ蒸留所である。1967年、生産量を増やすため、伝説的な旧クライヌリッシュ(現ブローラ)蒸留所の隣に、新しいクライヌリッシュが建設された。1967年8月から翌68年8月まで、新旧2つの蒸留所が並行稼働し、内部では新を「クライヌリッシュA」、旧を「B」と呼んだ。この間、スコッチ・ウイスキー協会が同名の重複を認めず、旧蒸留所は「ブローラ」と改名された。最大の特徴は「ワクシー(蝋のような)」な酒質。スピリッツスチルを低温で走らせ、アルコールをよく分離することで、この柔らかく個性的な質感が生まれる。ジョニーウォーカー・ゴールドの核を担う、北ハイランドの名蒸留所だ。
クライヌリッシュ最大の特徴は、「ワクシー(蝋のような)」と評される独特の酒質だ。スピリッツスチルを低温でゆっくりと走らせ、アルコールをよく分離することで、柔らかく軽やかなハイランド原酒が生まれ、この特有のワクシーな質感が宿る。ほのかな塩気とフルーティさに、蝋のような滑らかさが重なる複雑な個性は、多くのブレンダーに珍重される。
クライヌリッシュ蒸留所は、1967年、生産量を増やすため、伝説的な旧クライヌリッシュ蒸留所の隣に建設された。1967年8月から翌1968年8月まで、新旧2つの蒸留所が並行稼働し、内部では新しい方を「クライヌリッシュA」、古い方を「B」と呼んだ。この重複期間中、スコッチ・ウイスキー協会(SWA)が同名の二つの蒸留所を認めなかったため、古い方は「ブローラ」と改名された。ブローラは1983年まで操業を続けた。新しいクライヌリッシュは、1967年の建設以来、所有者を変えることなく、現在はディアジオが所有する。
蒸留所はスコットランド北部ハイランド、サザーランドのブローラ近郊に立つ。北海に近い沿岸の立地で、伝説的な旧蒸留所ブローラと隣り合う。ハイランド・クリアランスの歴史を背負うこの地で、清冽な水を用いて造りを行う。北の海辺の環境が、独特の酒質に個性を添えている。
定番の「クライヌリッシュ14年」を核に、ディスティラーズ・エディションや限定リリースを展開する。だがその原酒は、ジョニーウォーカー・ゴールドラベル・リザーブの味わいに欠かせない中核としても知られ、ブラック&ホワイトなどのブレンドも支える。ワクシーな酒質という唯一無二の個性で、通に愛される北ハイランドの名蒸留所である。


Clynelish Select Reserve
🏴 スコットランド ・ クライヌリッシュ蒸留所 ・ シングルモルト ・ NAS ・ 56.1%

同じ麦芽・同じ酵母でも、ウォッシュバックで48時間寝かせるか100時間寝かせるかで、穀物っぽい酒にもトロピカルフルーツのような酒にもなる。その分かれ道を、酵母と乳酸菌のバトンタッチという視点から解き明かす。

世界一売れるスコッチ、ジョニーウォーカー。レッド、ブラック、ダブルブラック、グリーン、ゴールド、ブルー——色で分かれる定番6本は何が違うのか。歴史と各色の個性を整理し、予算とシーンで選ぶ物差しまで一気に読み解く。

バーボン樽、シェリー樽、ワイン樽フィニッシュ、ミズナラ、新樽、小樽。ウイスキーの香味の多くを決める「樽」を一気に整理し、ラベルの樽名から味の方向を読み解く見方と、代表的な一本を紹介します。

スコットランド本土最北級の蒸留所オールド・プルトニー。「マリタイム・モルト(海のモルト)」を名乗る理由は、ニシン漁で沸いた港町ウィックの歴史と、頭を切り落とされたような異形のスチルにある。

ウイスキーの世界で「ワクシー(蝋っぽい)」といえばクライヌリッシュ。その個性は、洗い流さずに残されたタンクの底から生まれた。北ハイランドの蒸溜所と、隣で38年眠り続けたブローラの物語。

ブラックラベルは「12年」と刻むのに、シリーズの頂点に立つブルーラベルには年数がない。1987年に「オールデスト」として生まれた一本の、初期ラベルに刷られていた「15-60年」という一行の行方をたどる。

同じ北ハイランド東岸、どちらも「潮っぽい」「オイリー」と語られる二本。だが海でも樽でも差は説明しきれない。残るのは、捨てるはずのタンクの底と、更新されるはずの設備一式——二軒が手放さなかったものの違いだ。

一本ずつ飲んでも違いは言葉にならない。二つのグラスを並べ、変える条件をひとつだけに絞ると差がはっきり立ち上がる。ピート・樽・新樽と中古樽・加水・ブレンドとその指紋——家でできる5つの組み合わせ。

この蒸留所が属する地域
スコットランド本土北部・中央部に広がる地理的に最も広大な地域区分で、内陸から海沿い、島嶼部まで含むためスタイルの幅がきわめて広い。北部はスモーキーで力強く、南部は軽やかで、内陸はドライという傾向があるとされ、グレンモーレンジィやダルモアなど個性豊かな蒸留所が点在する。
ハイランドを深掘りする →地理ではなく味わいで繋がる、別の産地の蒸留所。