
Dailuaine
スコットランド・スペイサイド、キャロンの村に立つ蒸留所である。1852年、地元の農夫ウィリアム・マッケンジーが創業した。名はゲール語の「アン・ダール・ウアイネ(緑の谷)」に由来する。1884〜87年に大規模な拡張が行われ、当時ハイランド最大級の蒸留所の一つとなった。1899年には名建築家チャールズ・ドイグが、のちにスコットランド中の蒸留所の標準となるパゴダ屋根の乾燥棟を初めてここに設計した。現在はディアジオが所有し、生産の大半はジョニーウォーカーのブレンドに用いられる。凝縮に伝統的なワームタブ(虫桶式凝縮器)を用いることで、重厚でわずかに肉的な、コクのある酒質が宿る通好みの造り手だ。
ダルユーイン最大の特徴は、凝縮に現代では少数派となった伝統的なワームタブ(虫桶式凝縮器)を用いる点だ。ワームタブは銅との接触を抑えて凝縮するため、重厚でテクスチャーに富み、わずかに肉的(ミーティー)な風味とコクのある骨太な酒質を生む。この個性が、ジョニーウォーカーをはじめとするブレンドに深みを与える。生産量の大きな大規模蒸留所でありながら、伝統的な造りを守り続けている。
ダルユーイン蒸留所は、1852年、スペイサイドの町キャロンの農夫ウィリアム・マッケンジーによって創業した。名はゲール語の「アン・ダール・ウアイネ(緑の谷)」に由来する。1865年にウィリアムが没した後、未亡人ジェーンは近隣アベラワーの銀行家ジェームズ・フレミングに蒸留所を貸し、1879年に息子トーマスとフレミングが「マッケンジー社」を設立した。1884〜87年に再建・拡張され、当時ハイランド最大級の蒸留所の一つとなった。1899年には名匠チャールズ・ドイグが、のちに標準となるパゴダ屋根の乾燥棟をここに初めて設計した。1987年にユナイテッド・ディスティラーズ(現ディアジオ)の傘下に入った。
蒸留所はスコットランド・スペイサイド、スペイ川の支流のほとりキャロンに立つ。「緑の谷」の名が示すとおり、緑豊かな谷あいに位置する。良質な水に恵まれた立地が、重厚な酒質の土台となっている。パゴダ屋根発祥の地としても、蒸留所建築史に名を刻む。
生産の約2%だけがシングルモルトとして瓶詰めされ、大半はジョニーウォーカーのブレンド原酒に用いられる。公式にはディアジオの「フローラ&ファウナ」シリーズの16年が知られる定番だ。ワームタブが生む重厚な酒質と、パゴダ屋根発祥の地という歴史を併せ持つ、スペイサイドの通好みの造り手である。
Dailuaine 16 Year Old Flora & Fauna
🏴 スコットランド ・ ダルユーイン蒸留所 ・ シングルモルト ・ 16年 ・ 43%

この蒸留所が属する地域
スペイ川流域に蒸留所が集中する、スコットランドで最も蒸留所数の多い地域。シェリー樽由来のリッチな甘みからバーボン樽由来の軽やかな果実香まで幅が広いが、総じて華やかでエレガントな味わいが多い。グレンリベット、グレンフィディック、マッカランなど世界的な銘柄を数多く擁する。
スペイサイドを深掘りする →地理ではなく味わいで繋がる、別の産地の蒸留所。