
WHY THIS TASTE
ノンピート仕込みの看板銘柄。エックスバーボン樽を中心に、シェリー樽やワイン樽など毎バッチ平均7種類の樽・4ヴィンテージ・約76樽をヴァッティングするバッチ制で、単一レシピを持たない。50度、ノンチルフィルター・無着色。2016年以降はボトルにレシピコードを記載し配合内容を開示する透明性が特徴。

この味を生む蒸留所
ブルイックラディ蒸留所ラン半島、インダール湾の対岸に建つブルックラディは「進歩主義者(Progressive)」を名乗る異端児だ。1881年にハーヴェイ三兄弟が創業。長い低迷を経て2001年、マーク・レニエと伝説の職人ジム・マッケュワンらの手で劇的に再興し、2012年からレミー・コアントロー傘下にある。ヴィクトリア朝の古い設備をあえて使い続け、島内での瓶詰めにこだわり、大麦の産地や畑まで問う「テロワール」思想を掲げる姿勢は、スコッチの常識に挑み続けてきた。ノンピートで海の潮を感じさせる看板のラディ、力強くスモーキーなポート・シャーロット、そして世界最高峰のフェノール値を叩き出すオクトモア——一つの蒸留所が三つの人格を持つ。伝統への敬意と革新への渇望が同居する、アイラで最も饒舌な蒸留所である。
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ブルイックラディBruichladdich
1881年、ハーヴェイ兄弟がアイラ島リンズ地区ロッホ・インダール湖畔に設立した蒸溜所。1994年に一時閉鎖されたが、2000年にマーク・レイニアら投資家グループが買収し2001年に再稼働。ノンピートの「ブルイックラディ」、重ピートの「ポート・シャーロット」、超重ピートの「オクトモア」と3種の異なるスタイルを造り分ける。2012年よりレミー・コアントロー傘下で、アイラ島最大の民間雇用主でもある。
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ブラインド用のグラスには、中身の色が見えない青や黒のものがある。色を隠すと何が変わるのか——白ワインを赤く染めた2001年の実験と、黒いグラスを使った追試、そしてウイスキーの色が読み違えやすい理由をたどる。

スコッチの樽詰めは慣習で63.5%、バーボンは法律で62.5%以下。蒸溜直後の70%でもラベルの40%でもないこの一点が、木から何が溶け出すかを左右している。メーカーズマークが8年かけて検証した数字の話。

業界の排出の9割超は、燃料を燃やす炎から出る。ではその火を水素に替えたら、味はどうなるのか——山崎のパイロット蒸溜所で行われた実証と、日本とスコットランドの樽で眠り始めた原酒の話。

棚から下ろした瞬間の「ずっしり」は、中身の量とは関係ない。それでもワインでの調査では重い瓶ほど値段が高く、スコッチ業界は包装を10%軽くする目標を掲げながら、逆に2.6%重くなった。いま瓶を削り始めた造り手たちの話。

クラフトジンの棚には、ウイスキーの造り手の名前が思いのほか多い。「熟成待ちの資金繰り」だけでは説明がつかない——日本でジンを出すには、別の免許をもう一枚取らねばならない。制度・設備・土地の三つの層から読み解く。

ラベルに刷られた蒸溜所の名前。だがその一本が瓶に詰められた場所は、たいてい蒸溜所ではない。原酒がたどる移動と、法律が引いた一本の線、そして効率に逆らう数軒の話。