海外のショップからウイスキーを取り寄せられるのか——関税は無税、条件しだいで消費税も消える、それでも酒税だけは必ず来る
日本に入ってこない一本を、海外の通販で買えるのか。免許も届出も要らないこと、ウイスキーの関税が無税であること、課税価格1万円以下でも酒税だけは免除されないこと、そして税より高い「運送の壁」までを一次情報で確かめた。
海外のウイスキー専門店のサイトを眺めていると、日本の棚では見たことのない一本に出会う。独立系ボトラーの限定品、蒸溜所でしか売られないボトル、まだ日本に輸入元がついていない小さな造り手。カートに入れるボタンは、たしかにそこにある。
そこで手が止まる。これ、日本に送ってもらえるのか。送ってもらったとして、税金はどうなるのか。そもそも、個人が海外から酒を買うのは合法なのか。
Malt Note ではこれまで、旅先で買った一本の持ち帰り方と、ウイスキーを宅配便で送るときのルールを書いてきた。残っていたのが、この三つ目の方向——海外の店から、自分の家へ取り寄せるという買い方だ。
先に結論を言う。法律は、これを止めていない。個人が自分で飲むために輸入するのは自由で、免許も届出もいらない。止まるとすればそれは税ではなく、もっと手前の運送のところだ。
自分で飲むなら、免許も届出もいらない
酒を輸入すると聞くと、まず面倒な手続きを想像する。だが税関の案内は、そこをはっきり分けている。
税関の「酒類の輸入について」(カスタムスアンサー3105)は、三つの場合を並べて説明している。1.個人使用目的の場合は、「輸入しようとする酒類の総量が10kg以下であること、個人使用目的であると認められる場合等には、食品衛生法等による届出等の手続は必要ありません」。
2.自己の営業場(酒場、料理店等)内で飲用させる目的の場合は、検疫所への「食品等輸入届出書」の提出が必要になる。ただし自分の店で飲ませるだけなら、販売業免許までは要らない。
そして3.販売目的の場合は、届出に加えて「輸入した酒類を販売しようとする場合には、酒税法に基づく酒類の販売業免許を受ける必要があります」となる。
つまり、自分と家族で飲むために数本取り寄せるだけなら、事前の手続きは何もない。10kgという基準も、700mlのボトルを数本という規模なら気にする必要はまずない。
ただし線は一本ある。**取り寄せたものを継続的に売るとなれば、輸入の目的そのものが三番目の場合に変わる。**どこからが「継続」なのかは、自分のウイスキーを売っていいのかで書いたとおり免許の世界の話になる。「安く買えるから何本か余分に」という発想は、そこで一度止めておきたい。
ウイスキーの関税は、そもそもゼロ
では、いくら取られるのか。ここが多くの人の誤解しているところだと思う。
税関が公開している実行関税率表(2026年4月1日現在)で、ウイスキーの品目番号2208.30を引くと、税率の欄はこうなっている——無税。基本税率も、WTO協定税率も、そのすべてが無税である。
つまり、海外から取り寄せたウイスキーに関税はかからない。
ちなみに、一般貨物または郵便小包で課税価格の合計額が20万円以下の場合には「少額輸入貨物に対する簡易税率」という簡便な表が用意されているのだが、ウイスキーはその世話にもならない。税関が「この簡易税率は、携帯品及び別送品、関税が無税または免税になるもの(中略)には適用されません」と書いているとおり、無税のものは最初から対象外だからだ。
代わりに、酒税は必ず来る
関税がゼロなら安く済むのかというと、そうはならない。酒税があるからだ。
先ほどの税関3105には、主な酒類の税率表が添えられている。ウイスキー・ブランデー・スピリッツの酒税は、アルコール分37度未満で1キロリットルあたり370,000円。そして注記に、「アルコール分が37度を超える1度ごとに10,000円/kℓが加算されます」とある。
リットルあたり、そして700mlのボトル1本あたりに直すと、計算上はこうなる。
- 40度:400円/L → 700mlで280円
- 46度:460円/L → 700mlで322円
- 60度:600円/L → 700mlで420円
ここで注意したいのは、重くなるのは37度を超えた分だけだということ。37度未満は、そこから度数を下げても370,000円/kℓのまま変わらない(13度を切るとさらに下がる別枠はあるが、瓶で売られるウイスキーには縁がない)。日本の安い国産ウイスキーが37度に揃っているのは、この下げ止まりの上端にあたる数字だからだ。
上のリストの両端を、実際のボトルで見てみる。
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