ウイスキーのコーラ割り(コークハイ/ジャック&コーク)の作り方——黄金比1:4と、コーラの選び方・合う銘柄
「ジャック&コーク」「コークハイ」と呼ばれるウイスキーのコーラ割り。黄金比1:4を起点にした作り方と、薄めるほど甘くなるという固有のクセ、通常版とゼロの選び分け、ライムの効かせ方、テネシーからジャパニーズまでの銘柄別の相性、缶製品との使い分けまでを整理する。
日本の家でウイスキーを割るものといえば、炭酸水、水、お湯。コーラに手を伸ばす人は、まだそれほど多くない。だが世界に目を向ければ、コーラ割りは揺るぎない定番だ。日本コカ・コーラのリリースによれば、世界で飲まれるジャックダニエルの約4割は、コーラ系飲料と一緒に飲まれているという。
基本の材料は二つ、手順は数十秒。それでいて、比率と氷とコーラの選び方で仕上がりは驚くほど動く。この記事では、家で作るときの比率と手順、割り材としてのコーラの選び分け、ウイスキーの銘柄別の相性、そして缶で売られている完成品との付き合い方を整理する。
「なぜこの二つが合うのか」という味と歴史の背景は、なぜウイスキーはコーラで割ると美味しいのかで扱っている。ここでは作り方に集中したい。
呼び名を整理する——ジャック&コーク、コークハイ、キューバリブレ
先に用語を片づけておく。
ジャック&コークは、ジャックダニエルをコーラで割ったもの。ブランド名がそのまま飲み方の名前になった珍しい例だ。ちなみにジャックダニエルはバーボンではなく「テネシーウイスキー」に分類される(→ジャックダニエルはバーボンじゃない?)。
コークハイは日本での呼び方で、コカ・コーラの愛称「コーク」とハイボールを組み合わせた「コーク・ハイボール」の略にあたる。居酒屋で頼めば、たいていウイスキーベースで出てくる。
紛らわしいのがキューバリブレ。これはラムをコーラで割り、ライムを搾ったカクテルで、ベースが違う。1900年ごろのハバナで生まれ、キューバ独立をめぐる合言葉「Viva Cuba Libre」に由来する——という物語がよく語られるが、誕生の経緯には諸説あり、確定した記録があるわけではない。ウイスキーで作ったものをキューバリブレとは呼ばない、とだけ覚えておけばいい。
黄金比は「1:4」。ただし、薄めても甘さは減らない
起点はハイボールと同じ1:4でいい。ウイスキー30mlに対して、コーラは約120mlである。
ここで、コーラ割りに固有の事情をひとつ押さえておきたい。ハイボールなら、薄くすれば軽くなる。無糖の炭酸水を足すのだから当然だ。ところがコーラ割りは、薄めても軽くならない。
数字で見ると分かりやすい。40度のウイスキー30mlを1:3(コーラ90ml)で作れば、できあがり約120mlで度数はおよそ10%、糖類は約10g。1:4(120ml)なら約150mlで8%、糖類は約14g。1:5(150ml)まで薄めれば度数は7%を切るが、糖類は17gまで増える。薄めるほどアルコールは減り、甘さは増えていく——ハイボールの感覚のまま「軽くしよう」と割り材を足すと、かえって甘ったるい一杯になる。
だから比率は1:4を基本線に、動かす幅も1:3〜1:4程度に留めるのが扱いやすい。甘さの調整は比率ではなく、このあと触れるコーラの種類とライムで行う。それがコーラ割りの設計思想だ。濃さがそのまま味を決めるという大枠はハイボールの黄金比と変わらないが、動かせるつまみの数が違う、と考えてほしい。
作り方——差がつくのは「氷」と「開けたて」
- 大きめの氷でグラスを満たす。 コーラ割り最大の敵は、氷が溶けたあとに甘さだけが居座ることだ。表面積の小さい大きな氷を使うだけで、終盤の間延びがかなり防げる。
- ウイスキーを先に入れ、十数回ステアしてグラスごと冷やす。 溶けて減った分の氷は足しておく。
- よく冷えたコーラを、内壁を伝わせて静かに注ぐ。 氷に直接当てると炭酸が逃げる。
- マドラーを底まで沈め、一度だけ引き上げて終わり。 混ぜるほど泡は失われる。
コーラ割りにだけある落とし穴が、容器のサイズだ。炭酸水と違い、コーラを常備している家は少ない。大きなペットボトルを買うと、残った分は翌日以降に持ち越すことになり、開けるたびに炭酸が抜けていく。190mlや300mlの小容量を都度開けるほうが、割高でも仕上がりの差は大きい。
そして、常温のコーラを使わないこと。ぬるいまま注げば氷が一気に溶け、炭酸が抜け、甘い水になる。冷蔵庫でしっかり冷やしたものを、開栓してすぐ使う。
コーラを選ぶ——「通常」か「ゼロ」かで別の飲み物になる
何で割るかで一杯が変わるという話は水と炭酸水の選び方でも書いたが、コーラでも同じことが起きる。しかもこちらは、甘さという大きな変数がある。
日本コカ・コーラの表示によれば、「コカ・コーラ」の原材料は糖類(果糖ぶどう糖液糖、砂糖)で、100mlあたり45kcal・炭水化物11.3g。さきほどの1:4なら、コーラ120ml分でおよそ14gの糖類が一杯に入る。ウイスキー自体は糖質ゼロだが、割り材でこれだけ乗る(→)。
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