ジャックダニエル vs ワイルドターキー——片方は40%まで薄くし、片方は50.5%を一度も変えなかった
同じ棚に並ぶ二本の度数は40%と50.5%。ジャックダニエルは1987年と2002年の二度にわたって瓶詰めの度数を下げ、ワイルドターキーは101プルーフを守り続けた。炭で削る設計と深く焼いた樽で重ねる設計を、原料・工程・飲み方から比べる。
バーの棚でも、スーパーの棚でも、この二本はよく隣に置かれている。四角い黒ラベルのジャックダニエルと、羽を広げた七面鳥のワイルドターキー。どちらもアメリカ南部生まれで、どちらも日本で長く売られてきた定番だ。
それなのに、ラベルに書かれた度数はずいぶん違う。ジャックダニエル オールドNo.7が40%、ワイルドターキー8年が50.5%。10ポイント以上の開きがある。
この差は、単なる好みの違いではない。片方は瓶詰めの度数を二度にわたって下げ、片方は看板の数字を一度も動かさなかった——その結果として、いまの数字がある。この記事では二本の設計思想を「度数」「樽に入る前と後」「原料」の順にたどり、最後に飲み方から選び分けるところまで整理する。
ジャックダニエルは、二度にわたって度数を下げてきた
いま日本の棚に並ぶジャックダニエル オールドNo.7は40%(80プルーフ)だ。だがこの数字は、昔からのものではない。
黒ラベルは長らく90プルーフ(45%)で造られていた。それが1987年に86プルーフへ下げられ、さらに2002年から、一般に流通する製品が80プルーフへと引き下げられている(いずれもアメリカ市場での記録)。つまりいまのオールドNo.7は、かつての黒ラベルより5ポイント薄いということになる。
2002年の変更はラベルもパッケージも変えないまま行われたため、気づいた愛好家から反発の声が上がったことが伝えられている。理由については、度数を下げれば同じ原酒からより多くの本数が取れて酒税の負担も軽くなるという指摘があり、また輸出先の市場が40%前後のスコッチに慣れているからだ、という説明もされてきた。どれが決定的だったのかを外から断定することはできないが、「下げる」という判断が二度あったこと自体は記録に残っている。

ワイルドターキーは、101を一度も動かしていない
対するワイルドターキーは、この点で正反対の道を歩いてきた。
ブランドの看板である**101プルーフ=50.5%**は、公式サイトが「ブランド誕生から変わらぬ101プルーフ」と明記するとおり、動かされていない(→なぜワイルドターキーは「101プルーフ」を貫くのか、なぜアメリカのウイスキーは度数を「プルーフ」で表すのか)。
そしてこの「薄めない」という発想は、瓶詰めの直前だけの話ではない。ワイルドターキーは公式に、他社より低い度数で樽詰めしているので、熟成を終えたあとに加える水が他社より少なくて済むと説明している。アメリカの規則では樽詰め時の上限が125プルーフと決まっているが、ターキーは現在115プルーフで、上限には寄せていない。
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