世界ではウイスキーをどう飲んでいるのか——中国の緑茶割り、スペインのコーラ割り、韓国の爆弾酒。飲み方は「場」が決める
甘い緑茶で割るシーバス、深夜のクラブで飲むJ&Bとコーラ、ビールに沈める韓国の爆弾酒、「ペグ」で量るインド。日本とフランスを含む6つの国の飲み方から、ウイスキーがどんな場に置かれてきたかを読み解く。
日本では、ウイスキーといえばハイボールか水割り。そう聞いて違和感を覚える人は少ないはずだ。けれど国境を一つ越えると、同じスコッチがまるで違う姿でグラスに注がれている。
甘い緑茶で割る国がある。コーラで割って深夜のクラブで飲む国がある。ビールのジョッキに、ショットグラスごと沈める国もある。
この記事では、そうした「よその国の当たり前」を6つの国から見ていく。どれも通の流儀からは外れて見えるかもしれない。ただ、並べてみると、それぞれの土地でウイスキーがどんな場に置かれてきたかが、飲み方にそのまま表れていることが分かる。
中国——甘い緑茶で割ったシーバスリーガル
2000年代の中国のナイトクラブやKTV(カラオケ)で、テーブルの定番になったのがシーバスリーガルの緑茶割りだ。割るのは急須で淹れたお茶ではなく、甘みをつけた緑茶。市販の加糖の緑茶飲料が使われることが多かったとされる。
始まりははっきりしない。台湾のバーテンダーが広めたという噂が語られる程度で、確かな起源は分かっていない。背景にあったのは、2001年にシーバスリーガルを手に入れたペルノ・リカールが、この銘柄を中国市場へ本格的に売り込んだことだ。2006年の北京のクラブを描いた記事には、ほぼすべてのテーブルにシーバスのボトルと冷えた緑茶の水差しが並んでいた、という描写がある。
なぜ割るのか。2009年に上海で取材を受けた地元の男性は、「ストレートだと長くもたない。何かで割れば、もっと長く飲んでいられる」と答えている。夜通し、大勢で飲み続ける場では、度数を下げることが何より実用的だったのだろう。
この組み合わせは香港のカラオケにも広がった。近年は、往年の一杯として出し直すバーも現れているという。

日本のお茶割りについては、ウイスキーのお茶割りの作り方で詳しく書いた。
スペイン——深夜のクラブで飲む、J&Bとコーラ
スペインでは、ウイスキーは長いあいだコーラで割って、夜遅くに飲む酒だった。
英国の業界誌『ハーパーズ』は2008年、スペインで飲まれるスコッチの大半はコーラと氷で割られ、その8割は深夜0時から4時のクラブやバーで若者が飲んでいる、という関係者の見立てを紹介している。同じ記事によれば、ブレンデッドスコッチの販売はこのころ年920万ケース(9リットルケース換算)に達し、首位のJ&Bだけで270万ケースを売っていた。
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