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サントリーウイスキーの種類と選び方——角瓶・オールド・リザーブ・ローヤル・知多・碧・山崎まで、10本を「価格の段」で並べ直す | Malt Note
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この記事の目次 ↳ 第1段:毎日のハイボール——トリスと角瓶↳ 第2段:夕食の一杯を少し上げる——オールドとスペシャルリザーブ↳ 第3段:贈り物と節目——ローヤル↳ 第4段:モルトではなく「グレーン」と「世界」で選ぶ——知多と碧Ao↳ 第5段:憧れの一本——山崎・白州・響↳ 目的別の早見——どこから始めるかスーパーの酒売り場でも、酒屋のジャパニーズの棚でも、サントリーのボトルは必ず数本並んでいる。角瓶、オールド、リザーブ、ローヤル、知多、碧、そして山崎・白州・響。名前は見慣れていても、どれとどれがどういう順番に並んでいるのかまでは、意外と整理できていない人が多い。
サントリーのラインナップは、味の系統で覚えるよりも**価格の「段」**で並べ直したほうが早い。段がひとつ上がるたびに、何が足されているのかがはっきりしているからだ。
この記事では現行の定番10本を、700mlのメーカー希望小売価格(税込換算)の順に並べ、それぞれの段で「何にお金を払っているのか」を見ていく。その並びの先にある年数表記のボトルにも最後に触れる。なお、トリスだけはメーカー希望小売価格が設定されておらず、ここだけ実売価格で位置づけている。価格は店によって上下するので、あくまで並び順の物差しとして読んでほしい。
いちばん下の段にいるのがトリス クラシックだ。度数は37%と低めで、700ml瓶は実売でおおむね1,000円前後。ペットボトルの大容量が主戦場で、「濃く作っても財布が痛まない」ことがこの段の価値になる。
トリス クラシック Torys Classic
🇯🇵 日本 ・ 山崎蒸溜所ほか ・ ブレンデッド ・ NAS ・ 37%
ひとつ上が角瓶。1937年発売の定番で、度数は40%、希望小売価格は700mlで2,101円(税別1,910円、2023年7月の価格改定後)。上がるのは段ひとつぶんだが、中身の設計はきちんと違う。角瓶は山崎蒸溜所・白州蒸溜所のバーボン樽原酒をキーモルトに据えており、ハイボールにしたときに立ち上がるバニラのような甘い香りは、この樽由来のものだ。
このコラムの関連 関連するボトル 碧 Ao Ao
🇯🇵 日本 ・ 山崎蒸溜所ほか ・ ブレンデッド ・ NAS ・ 43%
知多 Suntory Chita
🇯🇵 日本 ・ 知多蒸溜所 ・ シングルグレーン ・ NAS ・ 43%
🇯🇵 日本 ・ 山崎蒸溜所ほか ・ ブレンデッド ・ NAS ・ 40%
つまり第1段の選択は「安さを取るか、香りの芯を取るか」に尽きる。濃いめのハイボールを何杯も、ならトリス。1杯を丁寧に作るなら角瓶。両者の細かい違いは角瓶とトリスの比較記事 にまとめてある。
2,000円台半ばから3,000円台前半に、昭和からの定番が2本並ぶ。
サントリーオールドは1950年発売、度数43%、2,475円(税別2,250円)。丸みを帯びた瓶の形から「だるま」と呼ばれ、かつては国内で圧倒的に売れたウイスキーだった。角瓶より度数が3ポイント高く、水割りにしても味が痩せにくい。この一本がなぜ昭和の食卓を席巻したのかはオールドの読み物 に譲る。
オールド Suntory Old
🇯🇵 日本 ・ 山崎蒸溜所ほか ・ ブレンデッド ・ NAS ・ 43%
スペシャルリザーブは1969年発売、度数40%、3,300円(税別3,000円)。キーモルトに白州蒸溜所のモルト原酒を使っており、オールドよりも軽やかで、バニラを思わせる華やかさが前に出る。度数はオールドより低いのに価格は上——ここで払っているのは度数ではなく、原酒の構成だ。
この段の選び分けはシンプルで、「濃さ・重さならオールド、香りの華やかさならリザーブ」 。ロックや水割りで飲むならオールド、ソーダで割って香りを立たせたいならリザーブ、と考えると外しにくい。
4,290円(税別3,900円)、度数43%のサントリーローヤルは、日常の棚から一歩外れた位置にいる。1960年、寿屋(現サントリー)の創業60周年を記念して世に出た一本だ。特徴的な栓は山崎蒸溜所の丘に建つ椎尾神社の鳥居をかたどったもので、そこに創業者・鳥井信治郎の名も重ねられている。
この段は「自分で飲む」よりも「持っていく・贈る」ための段だ。ラベルと瓶の佇まいが場に合う、という価値が価格に含まれている。鳥居の栓の由来はローヤルの読み物 で詳しく扱っている。
6,600円(税別6,000円)の段に、性格のまったく違う2本が並ぶ。ここから先は、シングルモルトの階段とは別の軸に入る。
知多 (43%)は、サントリーのグレーン原酒づくりの主力拠点である知多蒸溜所のシングルグレーンだ。グレーンウイスキーは連続式蒸溜機で造られ、長らくブレンドの土台=裏方とされてきた。その裏方を単独で瓶詰めしたのが知多で、軽やかで穀物の甘みが残る味わいは、ハイボールにすると食事の邪魔をしない。裏方が主役になった経緯は知多の読み物 にある。
知多 Suntory Chita
🇯🇵 日本 ・ 知多蒸溜所 ・ シングルグレーン ・ NAS ・ 43%
碧Ao (43%)は2019年に数量限定で登場し、その後定番化したブレンデッドで、世界5大ウイスキー産地すべての「自社蒸溜所の原酒」だけをブレンドした一本だ。スコットランドのアードモア/グレンギリー、アイルランドのクーリー、アメリカのジムビーム、カナダのアルバータ、そして日本の山崎・白州。5代目チーフブレンダー・福與伸二が構成をまとめた。2024年4月の価格改定で税別5,000円から6,000円へ上がっている。
碧 Ao Ao
🇯🇵 日本 ・ 山崎蒸溜所ほか ・ ブレンデッド ・ NAS ・ 43%
同じ価格でも、知多は「軽さ」を、碧は「多国籍な複雑さ」を買う一本になる。この段でようやく、価格が味の濃さではなく「設計の珍しさ」に対して付き始める 。
10本の並びの最上段は、シングルモルトとプレミアムブレンデッドだ。2026年4月1日出荷分からの価格改定で、山崎(ノンエイジ)と白州(ノンエイジ)はいずれも税別7,500円(税込8,250円)に、響 JAPANESE HARMONYは税別8,000円(税込8,800円)になった。改定前は山崎・白州が7,000円、響が7,500円だったので、いずれも7%前後の値上げにあたる。
山崎は華やかで甘みの濃い方向、白州は森を思わせる爽やかさとかすかな煙。同じ値段で並ぶこの二本は、上下ではなく好みで分かれる。
山崎 ディスティラーズリザーブ Yamazaki Distiller's Reserve
🇯🇵 日本 ・ 山崎蒸溜所 ・ シングルモルト ・ NAS ・ 43%
白州 ディスティラーズリザーブ Hakushu Distiller's Reserve
🇯🇵 日本 ・ 白州蒸溜所 ・ シングルモルト ・ NAS ・ 43%
響はそのどちらとも違い、モルトとグレーンを束ねた滑らかさで一本にまとめた側の代表になる。
響 ジャパニーズハーモニー Hibiki Japanese Harmony
🇯🇵 日本 ・ 山崎蒸溜所ほか ・ ブレンデッド ・ NAS ・ 43%
そして、この10本の並びのさらに上に、年数表記のボトルがある。山崎12年は税別16,000円(税込17,600円)。白州にも12年があるが、こちらは数量限定での販売が続いており、定価で買える機会そのものが限られる。ここまで来ると「今日の一杯」ではなく「開ける機会を選ぶ一本」になる。
山崎 12年 Yamazaki 12 Year Old
🇯🇵 日本 ・ 山崎蒸溜所 ・ シングルモルト ・ 12年 ・ 43%
白州 12年 Hakushu 12 Years Old
🇯🇵 日本 ・ 白州蒸溜所 ・ シングルモルト ・ 12年 ・ 43%
それぞれのブランド内の選び方は個別に整理してある。山崎は山崎の種類と選び方 、白州は白州の種類と選び方 、響は響の種類と選び方 を参照してほしい。
段の全体像を、目的から逆引きすると次のようになる。
とにかくハイボールを量で楽しみたい → トリス クラシック
家のハイボールを一段まともにしたい → 角瓶
水割り・ロックで、少ししっかりした味が欲しい → サントリーオールド
もう少し出せるなら、香りの華やかさを取りたい → スペシャルリザーブ
手土産・お祝いに持っていく → ローヤル
食事に合わせて軽く飲みたい/甘い香りが好き → 知多
一本でいろいろな表情を試したい → 碧Ao
蒸溜所の個性そのものを味わいたい → 甘く華やかなら山崎、爽やかで軽やかなら白州
贈り物の最上段、または節目の一本 → 響、そして年数表記のボトル
サントリーのラインナップが分かりにくく見えるのは、段の中に「どちらが上か」ではなく「どちらが好みか」で選ぶ分かれ道が用意されているから だ。第1段は安さか香りの芯か。第2段は濃さか華やかさか。第4段は軽さか複雑さか。第5段は爽やかさか甘みか。この四つの分かれ道さえ押さえてしまえば、残りは価格の順に並んだ素直な階段になる。
なお、もう一方の雄であるニッカのラインナップも同じ考え方で整理できる。ニッカウヰスキーの種類と選び方 、そして二社の成り立ちの違いはサントリーとニッカは何が違うのか にまとめてある。
角瓶 Suntory Kakubin
🇯🇵 日本 ・ 山崎蒸溜所ほか ・ ブレンデッド ・ NAS ・ 40%
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