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発酵(酵母と発酵時間)
METHOD

発酵(酵母と発酵時間)

Fermentation

影響するフレーバー軸:フルーティーフローラル

酵母がもろみの糖を分解してアルコールと香気成分(エステル類)を生み出す工程で、発酵時間の長さが果実香の複雑さを左右する。

なぜこの工程がこの香りを生むのか

発酵は、麦芽の糖化液(ワート)に酵母を加え、糖をアルコールと二酸化炭素に分解する工程で、通常48〜72時間程度かけて行われる。発酵時間が短いとアルコール収量重視のシンプルな酒質になりやすいが、長時間(70〜100時間超)発酵させると、酵母が働き終えた後も乳酸菌などの微生物による二次的な発酵(乳酸発酵)が進み、リンゴや洋梨、トロピカルフルーツを思わせる複雑なエステル香が形成される。この長期発酵はグレンフィディックなど一部の蒸留所が重視する製法として知られ、フルーティーな酒質を特徴づける核心的な工程の一つとされる。

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麦や樽ほど語られないが、発酵で働く「酵母」もウイスキーの香味を左右する。蒸留すれば消えると思われがちな酵母の役割を、スコッチの標準株、フォアローゼズの10レシピ、日本の自社酵母、そして最新研究から読み解く。

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スチルから流れ出たばかりの無色透明のスピリッツ「ニューメイク」。度数と味わい、なぜスコッチでは3年未満を「ウイスキー」と名乗れないのか、日本の酒税法との違い、そして熟成前の酒をあえて瓶詰めして売る蒸溜所の事情までを整理します。

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ハイボールの定番デュワーズの味を支える「心臓」が、ハイランドのアバフェルディ。砂金を含む渓流ピティリー・バーンの水と蜂蜜のような甘い原酒、そして100年の裏方から1999年にシングルモルトへ独立するまでをたどります。

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スコッチの蒸溜所には工程ごとに固有の職名がある。モルトマンからクーパーまでの7つの持ち場と、1983年までスピリッツセーフの鍵を握っていた酒税官、そして消えたタダ酒の慣習「ドラミング」をたどる。

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なぜ静岡の蒸溜所は、ポットスチルを「薪の火」で焚いているのか——山から出た間伐材と、オークションで競り落とした軽井沢の釜
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釜の下で薪が燃える、蒸溜所自身が「他に類を見ない」と呼ぶポットスチル。静岡蒸溜所が薪を選んだ理由と、隣に立つもう一基——閉鎖された軽井沢蒸溜所の部品から組み直された釜の来歴をたどる。

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なぜ日本では、自宅でウイスキーを造ってはいけないのか——梅酒だけが許される理由と、法律が引いた「1度」という線
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なぜ日本では、自宅でウイスキーを造ってはいけないのか——梅酒だけが許される理由と、法律が引いた「1度」という線

家庭で梅酒を漬けるのは合法なのに、麦を発酵させてウイスキーを造れば罪に問われる。分かれ目はどこにあるのか。酒税法が引いた「アルコール分1度」という線と、梅酒にだけ認められた特例、そして造り手を待つ「年6キロリットル」の壁を読み解く。

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ウイスキーで消毒はできるのか——2020年に国が示した線は原則70〜83%、棚の一本は40%。それでも中身が腐らない理由

2020年、国は医療機関等において、やむを得ない場合に限り高濃度エタノールを手指消毒の代替に認めた。線は原則70〜83vol%、緩和後も60%台。40%のウイスキーは届かない。それでも瓶の中が腐らない理由。

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麦汁が澄むか、濁るか——ウイスキーの果実味とナッツ感を分ける、蒸留より前の隠れた変数
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ウイスキーの香りは樽と蒸留で決まる、と思われがちだ。だが糖化槽で取り出す麦汁が澄んでいるか濁っているかで、果実味に寄るかナッツ感に寄るかが変わる。見学では素通りされがちな工程を、経験則と最新の実験データから追う。

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ウイスキーはグルテンフリーなのか——大麦から造るのに「含まれない」とされる理由と、日本のラベルがグルテンを語らない事情

原料は大麦・小麦・ライ麦。それでも英国の患者団体は「モルトウイスキーも問題ない」と案内し、米国は2020年に表示ルールを改めた。蒸留が置いていくものと、日本のラベルにアレルゲンが書かれていない理由を整理する。

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蒸溜所の工程の入口には、とうに消えた会社の名を刻んだ鋳鉄の箱がある。ポーティアスとボビー。「良すぎて自分の商売を終わらせた」と語られる二社の実際と、軽井沢から静岡へ渡った一台の話。

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居酒屋で隣に並ぶ二杯を、純アルコール量・カロリー・プリン体・酒税の四つで比べる。ビール中ビン1本のアルコールは、シングルで作ったハイボールおよそ2杯ぶん。「ハイボールは強いから酔う」という思い込みを、公表された数字でほどく。

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なぜお酒(ウイスキー)を飲むと、鼻がつまる・くしゃみ・じんましんが出る人がいるのか——「アルコール不耐症」とヒスタミンの話

お酒を飲むと鼻がつまる、くしゃみやじんましんが出る——多くは「アレルギー」ではなく、処理しきれずに起きる「不耐」の反応だ。症状の見分け方から、血管拡張・ヒスタミン・体質という三つのしくみ、その場の対処までまとめた。

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なぜエドラダワーは、いまも「最小の蒸溜所」と呼ばれるのか——「法律で許された最小のスチル」を条文で引いたら、書いてあることが違った
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なぜエドラダワーは、いまも「最小の蒸溜所」と呼ばれるのか——「法律で許された最小のスチル」を条文で引いたら、書いてあることが違った

「スコットランド最小の蒸溜所」「あのスチルは法律で許された最小サイズ」——エドラダワーの枕詞を、条文と入口の看板で確かめると、どちらも実態からずれていた。それでも中身は古びていない。

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ウイスキーとテキーラは何が違うのか——同じ「樽で寝かせた酒」なのに、足していいものの線がまるで違う
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ウイスキーとテキーラは何が違うのか——同じ「樽で寝かせた酒」なのに、足していいものの線がまるで違う

どちらも樽で熟成し、琥珀色になり、値札も近い。それでもウイスキーとテキーラは、糖の作り方・熟成の下限・足していい添加物・原料表示・産地の縛りで、条文の線の引き方が正反対に近い。NOMとEU規則を並べて読み解く。

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なぜ「スコットランドの酒」なのに、大麦はスコットランド産でなくてもいいのか——条文が縛るのは造る場所だけで、畑の場所は一行も書いていない
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なぜ「スコットランドの酒」なのに、大麦はスコットランド産でなくてもいいのか——条文が縛るのは造る場所だけで、畑の場所は一行も書いていない

スコッチの条文は糖化も蒸留も熟成もスコットランドと厳しく縛る一方、原料の大麦がどこで採れたかには一言も触れていない。日本の基準が産地を書き込んだのは「水」だけ。その空白に、自分から縛りを増やす造り手がいる。

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ウイスキーと泡盛は何が違うのか——同じ「3年」でも、樽から味をもらう酒と、何ももらわない酒
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琥珀色のウイスキーと、無色の泡盛。同じ穀物の蒸留酒で、どちらも「3年」を節目にしながら、糖化の担い手も熟成の器も、その3年が指すものも違う。条文を並べて五つの分かれ道を整理し、その先にある「100年古酒」の話まで。

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なぜアイラの蒸溜所は、ライバルの工場から麦芽を買い続けたのか——1987年に競合が守った製麦所と、いま絞られつつある蛇口
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なぜアイラの蒸溜所は、ライバルの工場から麦芽を買い続けたのか——1987年に競合が守った製麦所と、いま絞られつつある蛇口

ラフロイグもアードベッグもキルホーマンも、煙の元になる麦芽の多くを島の同じ一棟から受け取ってきた。閉鎖の危機にあった製麦所を競合どうしが買い支えた1987年の協定と、その仕組みがいま書き換えられつつある話。

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なぜ戦後の日本では、酒を飲んだ人が目を失ったのか——1年で中毒2,065人・死亡1,575人という厚生省の数字
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なぜ戦後の日本では、酒を飲んだ人が目を失ったのか——1年で中毒2,065人・死亡1,575人という厚生省の数字

終戦直後の日本では、酒の顔をした別の液体が売られていた。軍から放出されたメチルアルコールと、厚生省統計が残した1年間の数字。なぜ「目」だったのか、そしてウイスキーはなぜ無事なのかを資料からたどる。

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世界でいちばん飲まれている蒸留酒は、ウイスキーではない——白酒(バイジウ)と分かれた四つの道
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世界でいちばん飲まれている蒸留酒は、ウイスキーではない——白酒(バイジウ)と分かれた四つの道

世界でもっとも多く飲まれている蒸留酒は、ウイスキーでもウォッカでもなく中国の白酒。麦芽を使わない糖化、水を張らない発酵、穀物ごとの蒸留、木樽を使わない熟成——伝統的な白酒とウイスキーが分かれた四つの道をたどります。

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なぜスコッチの蒸溜所は、大手ビール工場が使う「搾る機械」を入れないのか——2000年に一軒だけが乗り換え、その原酒は緑茶にたとえられた
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なぜスコッチの蒸溜所は、大手ビール工場が使う「搾る機械」を入れないのか——2000年に一軒だけが乗り換え、その原酒は緑茶にたとえられた

麦芽を挽いて湯と混ぜる「糖化」の設備は、スコッチではほとんど姿を変えていない。ビール工場で使われるマッシュフィルターを採り入れたモルト蒸溜所は、いまも2軒だけ。その2軒の原酒は、どちらも普通ではない。

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二度「世界最高」に選ばれたグレンアラヒーを、ビリー・ウォーカーは蒸溜していない——彼が変えたのは、樽と、瓶に詰める日だった
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二度「世界最高」に選ばれたグレンアラヒーを、ビリー・ウォーカーは蒸溜していない——彼が変えたのは、樽と、瓶に詰める日だった

2021年と2025年、ワールド・ウイスキー・アワードで世界最高のシングルモルトに選ばれたグレンアラヒー。だがその液体は、ビリー・ウォーカーが蒸溜所を買う何年も前に、ブレンド用として造られた原酒だった。

読了 8分 · 歴史
なぜ一部のウイスキーは「マンゴー」の香りがするのか——研究が名指しした三つの成分は、香料の資料に一度も「マンゴー」と書かれていない
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なぜ一部のウイスキーは「マンゴー」の香りがするのか——研究が名指しした三つの成分は、香料の資料に一度も「マンゴー」と書かれていない

市販ウイスキー14本を官能評価と化学分析にかけ、マンゴー香の弱い一本に加えて確かめる。そうして挙がった三つは、アルデヒド二つとアセタール一つだった。どれも単体では、誰も「マンゴー」とは呼んでいない。

読了 14分 · 製法解説
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